カルシウムポンプとカルシウムチャンネル
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イオンポンプの一種で、細胞内と細胞外のカルシウムイオン濃度を調節するために、細胞膜にある機能が「カルシウムポンプ」です。そして、カルシウムが出入りする細胞膜上のゲート(扉)が「カルシウムチャンネル」と呼ばれています。
このカルシウムチャンネルは常に開いているわけではなく、必要時にのみ開きます。細胞膜の外と内のカルシウムイオンの存在比率は、平常時概ね10000対1に保たれているといわれています。
カルシウムの作用である筋肉の収縮作用は、カルシウムイオンが筋肉組織の細胞内へ入ったときに起こります。カルシウムイオンが出たり入ったりすることで筋肉が伸展したり収縮したりするのです。
【カルシウムチャンネル と マグネシウム】
カルシウムチャンネルの開閉具合を調節する役割は、マグネシウムというミネラルが担っています。
つまり、筋肉の収縮・伸展すなわち細胞の収縮・膨張には、カルシウムとマグネシウムの働きが深く関与しているということです。マグネシウムが不足すると、カルシウムチャンネルが必要でないときに開いてしまい、細胞内外のミネラル配置が大幅に変化してしまいます。
体的には細胞外にあった、ナトリウムイオンとカルシウムイオンが細胞内に入り込み、細胞が縮みあがってしまいます。ナトリウムイオンは「ナトリウム・カリウムポンプ」と呼ばれているイオンポンプ機構を通じて細胞内へ取り込まれます。この結果、痙攣やこむら返り、心筋梗塞、血圧の上昇、むくみ等といった症状があらわれてきます。
血管は平滑筋という筋肉で包まれており、この平滑筋が収縮すると血液が通る道が狭まってしまい血圧の上昇を招きます。マグネシウムが不足することで細胞内のカルシウム濃度が高まり、その結果細胞が収縮し、それが血管の平滑筋の収縮に繋がり、「高血圧」の症状としてあらわれてくるといった図式が成立するのです。
高血圧の治療に用いられている「カルシウム拮抗剤」は、カルシウムチャンネルを開きにくくする作用があります。細胞内へカルシウムが不必要に入り込まないようにすることで、血圧の上昇を抑制しています。
【カルシウムチャンネル と 副甲状腺ホルモン】
また、カルシウムチャンネルの開閉機構にはマグネシウム以外にも、「副甲状腺ホルモン」も関与しています。チャンネルを開くか閉じるかということ自体には副甲状腺ホルモンが、どの程度開くかという開閉具合を調節するのがマグネシウムの役目です。
この副甲状腺ホルモンの分泌量は、カルシウムによって影響を受けます。カルシウム摂取量が不足すると副甲状腺ホルモンの分泌が盛んになります。このホルモンは細胞に対してカルシウムを細胞内へ取り込むよう指示を出します。その結果、細胞が収縮し様々な症状として体にあらわれてきます。
高血圧の症状が見られる人は、カルシウムの摂取が不足していることが多いとの報告が存在しています。
以上のように、カルシウムとマグネシウムの存在は細胞レベルにおいて重要な影響を及ぼしています。カルシウムとマグネシウムの摂取バランス(ミネラルバランス)は、2対1から3対1を維持することが大切とされています。