妊娠中(妊婦)のビタミンA摂取について
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妊婦の方のビタミンA過剰摂取は、胎児に奇形を生じさせる(催奇形性)可能性があります。
内閣府食品安全委員会がまとめた報告書によると、「妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望される女性がビタミンAを一日5000IU(1500μgRE/日)以上、過剰に継続的に摂取することは禁忌」とされています(催奇形性のリスクが高くなるため)。
一方、ヨーロッパ(EU)の食品科学委員会の報告によると、10000IU(3000μgRE/日)を超えるビタミンAを過剰摂取すると催奇形性を起こす可能性があるということを指摘しています。
こういった報告を受けて日本の厚生労働省は、妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望される女性におけるビタミンA摂取の留意点として、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で規定されている「妊婦の推奨量」を超えるような過剰摂取を長期間しないよう注意喚起しています。この推奨量は、国際単位で表すと約2230IU(670μgRE/日)ほどになります。
ビタミンAは脂溶性であるため、体内に蓄積することができる、つまり摂りだめができるという利点があります。生体の生理作用に使われなった余剰分は肝臓や皮下組織に蓄積されます。しかし、この利点がマイナスに作用する場合があります。蓄積性があるため長期に渡って過剰に摂取し続けると、過剰症のリスクが高まってくるのです。短期的に過剰な状態となるのは、それほど心配することはないと思われますが、長期的な過剰摂取に対しては、特に妊婦の方は気をつける必要があります。
妊婦の方が貧血の予防のため、あるいは鉄分の補給を目的としてレバー(肝臓)を食事に取り入れることがあるかもしれませんが、鉄分の補給という目的をある程度満たしたとしても、その代償としてビタミンAを過剰に摂取してしまっているという事実も知っておく必要があります。
厚生労働省が国民の栄養状態を知るために毎年行っている全国調査で、「国民健康・栄養調査」というものがあります。平成16年度に実施した調査結果によると、ビタミンAの摂取量は18~29歳の成人女性で平均722μgRE、30~49歳の成人女性では平均791μgREとなっています。この数値は、食事摂取基準に定められた妊婦の推奨量670μgREを満足しており、殆どの人は食事等から追加でビタミンAを摂取する必要がないということがわかります。
医薬品や化粧品等、ビタミンAを多く含むものを利用している方や、ご自身の食習慣等で不安・疑問に思われる方は、医師や薬剤師等信頼できる専門家に御相談されることをお勧めします。
妊婦の方または妊娠を計画している方が配慮すべき栄養素全般については、『妊婦の方に、妊娠を計画している方に』を参照下さい。