リンとカルシウムの拮抗作用
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カルシウムと同様、生体にとって重要なミネラルとしてリンがあります。リンは生体内でカルシウムの次いで存在量が多く、その殆ど(約80%)は骨や歯の構成成分として使われています。残りは、筋肉、脳、神経などをはじめ、その他のすべての組織の中に存在しています。
この存在量の多いリンですが、現代人の食生活において不足することは、まず考えられないといってよく、むしろ、過剰摂取される傾向にあります。それは幅広く多くの食品に含まれているという実情によるものです。
素材由来のリンに加えて、加工食品やスナック菓子、ファーストフード、インスタント食品、缶詰、清涼飲料水など、私たちが日頃よく口にする食品に食品添加剤(食品の鮮度維持、変色や変質の防止目的、タンパク質の結着剤として)のかたちで摂取されているのです。
このようなことから、日頃から余程意識して口にする食事のことを考えない限り、バランスの取れたリン摂取量を維持することは困難といえます。
人体の様々な生理作用に不可欠なリンですが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害することが指摘されています(拮抗作用)。これは、腸管で相性のよいカルシウムと結合し、リン酸カルシウムへと形態が変化するためで、水に溶けにくいリン酸カルシウムは腸管から吸収されず、体外へと排泄されてしまいます。
さらに、多量のリン摂取は骨中のカルシウムを溶かし出したり、排泄時にリンと一緒にカルシウムも体外へ出してしまうといった問題もあります。
食品によって変化しますが、カルシウムの吸収率自体が高くない(牛乳で50%程で、それ以外ではさらに低くなります)ことから考えても、リンの過剰摂取がカルシウム不足に益々拍車をかけてしまうというので注意が必要です。(リンとカルシウムの理想的な摂取比率については、「ミネラルバランスとは」の項を参照ください)
しかし、リンの過剰摂取に対抗するためにカルシウムだけを多めに摂取すると、今度はカルシウムとマグネシウムのミネラルバランスが崩れ、その結果マグネシウムの不足へと繋がりますので、この点への配慮も必要となります。(リンとカルシウム、マグネシウムの理想的な摂取比率については、「ミネラルバランスとは」の項を参照ください)