カルシウムとマグネシウムの拮抗作用
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カルシウムとマグネシウムは非常に密接な関係を持っています。この2つのミネラルはお互いに協力しあったり、反対に拮抗して働くことで重要な身体機能の維持・調整をしています。
この2つのミネラルの重要な働きには、以下のようなものが挙げられます。
(1)骨や歯の形成に働く
マグネシウムは、カルシウムの働きや吸収を助ける重要な役目を果たしています。
私たちの体はホメオシタシス(恒常性の維持)という神秘な力が働くようになっており、
体内のマグネシウムが不足すると、その不足分を自ら補おうとします。
骨にはマグネシウムとカルシウムが貯蔵されていますので、不足分を補うために、
骨中に含まれているマグネシウムが溶出します。その際に、マグネシウムとともに
カルシウムも一緒に溶出してしまうのです。
この両者は骨や歯の形成に必要不可欠のミネラルですので、マグネシウムの欠乏
が結果として骨中のカルシウム濃度の減少へと繋がり、骨の強度が脆くするという現象
をもたらしてしまいます。
したがって、生体内で重要な働きをするミネラル全般にいえることですが、一方が不足
で、一方が過剰というような状態にならないよう、バランスよく摂取することが大切になり
ます。(カルシウムとマグネシウムの理想的な摂取比率については、「ミネラルバランスとは」の項を参照ください)
(2)血圧の維持機能に働く
この2つのミネラルは互いに作用しあって、筋肉の収縮・伸張に影響を与えています。
筋肉細胞の中にカルシウムが入り込むと筋肉は収縮します。
逆にマグネシウムは筋肉を弛緩させる方向に作用しています(マグネシウムは細胞に
入るカルシウム量の調節を担っており、細胞内のカルシウムイオンを細胞外へ取り出す
ように働けば、筋肉は弛緩します)。
このような作用が血管の平滑筋で行われており、血管が収縮・弛緩することで血圧が
維持されるようになっています。マグネシウムが不足すると、細胞へ出入りする
カルシウムイオン量の調節機能が弱まります。
上記のイオン量を調整する機能は「イオンポンプ」と呼ばれています(「イオンポンプとは」の項も参照ください)。
(3)筋肉の収縮・伸張に働く
この作用は上記の血圧維持機能において触れていますが、血管の平滑筋だけで
はなく体のあらゆる筋肉(心臓などの重要な臓器も同様)でみられる現象であり、
生命を維持する・体を動かすという行為はこの両者のミネラルの働きによって司られ
ているのです。
(4)神経の伝達に働く
この2つのミネラルは神経間と筋肉間の興奮伝達に作用しています。筋肉を収縮させ
る際の刺激を伝達する物質はカルシウムですが、「脳が筋肉を収縮させろ」という指令
を細胞に伝える神経伝達にはマグネシウムが深く関わっています。全ての細胞の存在
しているマグネシウムは、神経を構成している神経細胞においては興奮を伝達する
役割も担っています。