水銀とセレニウム(セレン)の拮抗作用
スポンサードリンク
水俣病の原因物質として知られる水銀。水銀には無機水銀と有機水銀化合物とがあり、それぞれの毒性は異なります。人体への進入は、皮膚・消化管・大気からというように複数のルートがあります。殆どが食品を通して体内へ入ってきます。日本人の場合、大半が魚介類を通して体内へと摂取されているという報告があります。
問題となるのは毒性の強い有機水銀(メチル水銀)で、過剰に摂取したり慢性的・長期的に蓄積されると運動機能障害や言語障害、手足の痺れなどの神経障害を引き起こします。しかし、たとえ微量であっても胎児の神経発達に与える影響も懸念されており、厚生労働省は妊娠中もしくはその可能性のある女性に対して、マグロなどの魚介類の摂取量や摂取回数を制限するように注意を喚起しています。
セレニウム(セレン)は水銀に直接働きかけて、水銀の強い毒性を緩和する作用があります。これも拮抗作用によるものであり、セレニウムと水銀が結合して、体外への排泄を促したり、毒性の少ない安定したかたちで存在するようになるからとされています。
なお、セレニウム自体にも毒性がありますので、セレニウム多く摂取すれば良いというものではありません。毒をもって毒を制するという考え方だといえるでしょう。水銀とセレニウムの体内保有比率が1;1の時に有効な無毒作用が発生するとも報告されています。